マイクのタイプには大きく分けてダイナミックマイクとコンデンサーマイクの二種類があります。構造上壊れにくいことなどの利点からカラオケ店等では一般的にダイナミックマイクが使用されています。
このダイナミックマイクには特性があります。
上図のようにマイクの真正面から来る音のみ拾う「単一指向性(カーディオイド)」という特性です。ですからこのマイクの角度を間違えて歌うと、マイクが声を拾いにくい状態になりますので気をつけてください。
この「単一指向性」のメリットはバックで流れているカラオケの音をマイクが拾わず、唄う人の声だけをしっかり拾えるようになっているのです。この為ハウリングも軽減されるという効果があります。
マイクは近づくほど中低域を多く増幅する効果もあり、こしのある太い音になります。男性に比べ女性は声が細いので特に近づくことをお勧めします。
よくテレビでマイクからものすごく離れて歌っている歌手を見かけますが、あれはマイクの特性を知らない無知な歌手がパフォーマンスのためにやっていることなので、真似しないでください。あれは声量があるから離れているのではなく、「超単一指向性(ハイパーカーディオイド)」マイク等を使用し、無理にエンジニアにやらせている歌手のわがままです。
皆さんも経験あるでしょうが、歌う店によってカラオケのキーが違うため上手く歌えないことがあると思います。カラオケは店によって契約している会社がそれぞれ違うので、曲のキーもその会社に依存することになります。
では何故会社によってキーが違うかというと、一般の人に比べプロの歌手は声の音域が広いので、カラオケでは若干オリジナルキーより低めになっていたり、男でも女でもどちらでも歌える(どちらにも中途半端)キーに設定していたりします。これは各会社の考え方なので仕方ありません。行き付けの店で「この曲は二つ上げて・・・」など、チェックしておきましょう。
プロの歌手も半音キーが変わると満足のいく歌が唄えなくなるといいます。
ですからみなさんも自分に合ったキーを探すことで、びっくりするくらい上手く唄える曲があるはずです。
普段何気なく唄っている曲も調節次第で必ず「一段階レベルアップ」しますので研究してみましょう。
大抵の場合、みなさんが思っているキーよりも「一つや二つ」は上げた方が上手く唄えます。唄っていて少し疲れるくらいの高さが声に張りが出る為、プロも選ぶキーなのです。(逆に楽に唄える高さは本当に合うキーではないので注意して下さい。)
声には自分に合ったタイプの唄が必ずあり、それを知ることで人前で失敗の少ない歌を唄えるようになります。
プロの歌手にも「枯れた声」「澄んだ声」「低い声」「高い声」「音域の広い人」「音域の狭い人」などさまざまです。
自分の声の特徴を知ることもカラオケを上手く唄うコツなので一度調べてみましょう。
枯れている声には、「倍音」という成分が多く含まれ複雑な波形をしめす味のある声になりますが、ビブラートやコブシと言われる「小技」が出しにくい為、大味な歌が向いています。
澄んだ声の人はやさしい音に聞こえ、「小技」も出しやすい為、繊細な歌に向いています。
上記はあくまで目安です。枯れた声の人が繊細な歌を唄うという逆の効果も期待できますので、いろいろためして下さい。
よく「ビブラート」をかけると上手いと言われていますが、これは”大きな間違い”です。ビブラートは反対にかけることの方が”簡単”なのです。
嘘だと思ったら、ためしにビブラートをかけずに唄ってみてください。自分の音程の悪さに、今まで自分がどんなにビブラートに頼って唄っていたかがわかるはずです。本当はビブラートで 音程の悪いのが助けられているんです。
ビブラートはかける場所や、かけ方が重要なのです!
へたなビブラートのかけ方をすると、自分では上手いと思っていても他人には嫌味に聞こえる場合が多くあるので注意してください。
ヴォーカルレッスンにはビブラートをかけずに長く声をだす「ロングトーン」という基礎練習があります。息を使う楽器(トランペットなどの金管楽器や木管楽器等)にも同じ練習があります。
この練習の意味は音程を良くすることと、息を長く続かせる重要なトレーニングなので、上手くなりたい人はときどきやってみましょう。
プロの現場とカラオケの大きな違いは、PAエンジニアがついていることです。
このエンジニアは豊富な知識と経験を持ち、環境による変化(会場になる場所の広さや、構造物の種類、客数による音の変化等)を技術でカバーし、その現場で最高の音が出せるよう作業しています。
このエンジニアはバックの演奏と声のバランスに常に注意し、歌のエコーなども曲毎に変えたり等、細心の注意を払っています。しかし、素人がカラオケで唄うとき、こんなエンジニアがいるはずがありません。
ではどうすればよいか・・・!
答え:自分で調節することです。
カラオケやマイクの音量は店の人が一度合わせたボリュームで固定されている場合が殆どです。しかし曲によってカラオケの音量がいつも同じとは限りません。バックの音量が大きかったりマイクの音量が小さい場合は歌っている人の声が聞き取りづらくなります。反対にカラオケの音量が小さいと音圧(聞きごたえのある音量感のこと)が減り、全体的に味気ない音になります。
カラオケBOXならいいですが、スナックなどの場合は他のお客さんに対しうるさすぎないようボリュームをしぼっていたりしますが、できる範囲で音量を上げてもらい、声とカラオケの音量が気持ちよくなるように依頼して調節してもらいましょう。
以上の点を注意するだけで随分変わってきます。さあみなさん、行きつけの飲み屋に行ってためしてみましょう! 但し、飲みすぎと飲酒運転にはくれぐれも注意してください。