みなさま「防災加熱袋」をご存知でしょうか。災害や停電の緊急時でも火を使わずにレトルト食品や缶詰を温めるためのものです。
加熱するために生石灰を使っていると聞き「防災加熱袋(兼松社)」を実際に購入して使用してみました。原料メーカーとしてはやはり石灰を使っている商品は気になってしまいますね。
調理準備
・防災加熱袋(加熱袋と発熱剤)
・水 150cc
・レトルトカレー
・パックご飯
説明書を確認
イラスト付きの説明が付属していました。こちらを見ながら試してみます。
■ 使用前に気になったこと
① 本当に食材が温かくなるのか?
② 調理は簡単?後始末は面倒でない?
③ 加熱した水(お湯)が漏れたり飛び散ったりはしないか。
④ 生石灰が漏れたり濁ったりしないか
加熱調理を体験
1.加熱袋を開けて縦に置く。
加熱袋の底を平らに広げて立てます。
ちょっと不安定さを感じます。
2.発熱剤を開封。加熱袋の底に置く。
発熱剤を袋から開封。おそらく粉末が不織布の袋に包まれた状態でしょうか。
生石灰に水を注ぐと激しく加熱しますが、直接投入はしないようにできています。
3.食材を発熱剤の上に置く
発熱剤の上にカレーとご飯を載せました。
ちょっと入れすぎ?(後述:入れすぎでした)
4.加熱袋の水量ラインまで水(150ml)を加える
水を150ml投入します。加熱袋には目安のラインが引いてありました。屋外で量れない時はここを参考にするのかも。
カレーとご飯の下半分が浸かった状態になりました。
5.ジッパーを閉める
最後にジッパーを閉めます。
準備は以上です。
経過観測(15~20分)
正確な時間は測り忘れましたが、2分前後で発熱剤と水が反応して蒸気が発生してきました。
袋の表面を触ると熱くなってきた事がわかります。
通常生石灰に水を注ぐとすぐ反応して蒸気が上がりますが、徐々に上がるよう調整されているようで袋をとじる際に火傷をする心配は少なさそうです。
~5分後
全体に蒸気がいきわたってきました。袋を触ると熱いです。
右上に小さな蒸気穴がありほのかに湯気が抜けています。
はじめから少し不安定でしたが、バランスを崩し倒れたので壁にもたれかけさせました。
~10分後
5分前と見た目変化なし。触った熱さは維持されています。
ちょっとお腹が空いてきました…。
~15分後
水滴が袋の中で多く発生してきました。
入れた水も少なくなってきています。
~20分後
カレーとご飯を加熱袋から取り出します。
説明書だとレトルト食品やパックご飯200gに対して15分以上加熱してくださいと説明がありましたのでもう大丈夫でしょう。
カレーもご飯どちらもホカホカで湯気が出ています。
使用後の処分
食後には水も発熱剤も冷めていましたので水を捨て、袋と発熱剤は燃えるゴミへ。
処分も簡単です。
水は濁る事もなく、掃除等は不要でした。
実食と感想
実食です。
十分温まりましたが、感覚的には熱々!ではなく温まったな~という感じ。
家やお店で食べる出来立てのカレーの熱さには及びませんが、屋外であれば十分嬉しい温かさ。
15分~20分は普段ならちょっと長い気はしましたが、火が使えない緊急時や屋外なら有難いと思います。
そして調理前に気になった点、
①本当に食材が温かくなるのか
→ 程よく温かく(後述、再度試しています)
②調理や後片付けは簡単?
→ とても簡単でした。
③加熱した水が漏れたり飛び散ったりはしないか?
→ 問題無し。ただ立てている時倒れそうなので支えは必要。
④生石灰が漏れたり濁ったりしないか?
→ 見たところ漏れはなさそうです。
…… 食後に説明書をよく読みかえしますと …
「レトルト食品やインスタントごはんなど約200gの食品に対して、発熱剤を1個使用し、15分以上加熱してください。」
とありました。カレーが170g、ごはんが200g。
つまり食品を入れすぎておりました。メーカー様ごめんなさい…。
容量を守って再チャレンジ
今度は加熱袋を2つ(カレー用とごはん用)を用意しました。
手順はカレーとごはん別々にする以外前回と同じです。
<同じ手順で20分後…>
20分待ってから取り出してみました。
カレー、ご飯両方から湯気。前回1つの加熱袋に両方入れた時とは、あきらかに温かさが違います。
湯せんと同等レベルの熱さ。
まとめ
防災加熱袋は手順も簡単で初心者でも扱いやすいものでした。
カレー・ご飯とも袋に少量の水を加えただけで十分熱が伝わっており、説明書通りに容量を守って使えば電子レンジなみと言ってよいでしょう。
災害時はもちろん、かさばらないのでアウトドアにも役立ちそうです。
「防災加熱袋」はAmazonなどで購入できます。今日現在の価格が6回分で1,900円前後でした。